COLUMN
サブスクリプションとは一概には「月額課金型のストックビジネス」と記されますが、
実はここに伸びていくサブスクリプションモデルと、残念ながら事業撤退してしまうモデルとの大きな認識の違いがあります。
みなさまがイメージしている成功していると思うサブスクビジネスはどのようなものでしょうか?
例えば映画やブランドバッグなどのサービスです。
これらの共通項は「所有するほどは欲しくないが利用はしていたいもの」であること。
つまりは映画のDVDを買ってラックに並べなくても良いが見てみたい。
ブランドバッグを高い金額を支払って自宅のクローゼットに並べたくはないが
利用してみたいと思うもの。
結論としては、単純な月額課金型の費用発生するモデルではなく、上記のような”所有するには至らないが利用してみたいものが、月額課金で利用できる権利を得るモデル”がサブスクビジネスです。
サブスクリプションという言葉があちこちで使われるようになり、
私の元にもご相談を頂くことがありますが、お話を聞いていると『え?それって分割払いや月謝ビジネスとあんまり変わらないのでは?』
といった印象を受けるシーンが多いので、前提として記載させていただきました。
これらを踏まえて下記もご覧ください。
サブスクリプションビジネス自体の収益構造はいたってシンプルで、
会費金額(円/月)×有料会員数(名)=月商となります。
ですがサブスクリプションビジネスを立ち上げるには1番大きなポイントとして、システム開発(サービスシステム・集客用WEBサイト等)や人件費、モノをサービスする場合(バッグレンタル等)は商品仕入れ等の初期費用が大きくなります。
またサービスローンチしてからは、それを広めていくための販促費も初期費用としてみておいたほうが良いため、リリース直後からの投資回収のスケジュール、資金繰り等のマネタイズの段取りが必須になってきます。
事業をどの程度まで大きくするかによって初期仕入れは変動します。
例えばバッグレンタルをイメージしていただくと月商100万円を目指し、有料コースを1万円に設定した場合は、
100万円(月商)=1万円(月額使用料金)×100名(ユーザー数)が必要になります。
ですが実際は100名のユーザーのうち稼働率として80%(ここでは80名の人が何かしらのバッグをレンタル中)と仮定すると商品数は80点では足りずに少なくとも商品稼働率(商品のうち実際に使用中のもの)を30%~80%に設定するため、仕入れ点数は約100点~約280点が必要になります。
何をお伝えしたいのかというとシステム開発費用に加えて大きい売上を目指すならば、その分仕入れ費用が大きくなりますので、どのスケールでこの事業を展開していくのかという初期設定がかなり重要となるのです。
売上拡大を目指すならばユーザー数の拡大が必須ですが、その分ユーザー数に使用していただく「商品」が必要になりこの「商品」がバッグのようなモノである場合仕入れ数が増える。
もしこの「商品」がエンタメ系(イメージだと映画)だと仕入れはありませんが、その分版権の使用料金が必要になります。
これは他でも同様で、ユーザー数を獲得するために必要な「商品」の確保コストが一番重要になっており、月商ごとに計画的な投資、事業計画の策定が必要になります。
もちろんこれ以外にもユーザーを管理するシステムや獲得するうえでの販促等投資すべき項目は多岐にわたります。
このほかにも資金繰りやシステム構築(選択)なども重要になってまいりますが
この部分に関しては次回のメルマガにてご紹介させていただきますのでまたご覧いただけますと幸いです。
デジタルイノベーションラボ 井筒 量子